こんにちは!
全国各地のご朱印、お城印集めが趣味の神宮寺城一郎です!
現在、滋賀と京都の有名な神社仏閣を連続してご紹介しています!
第13回目となる今回ご紹介するお寺は、平安時代の女流歌人・小野小町ゆかりのお寺としても知られている、京都市山科区にある「随心院(ずいしんいん)」です。
随心院のアクセスと基本情報
【随心院の所在地】
〒607-8257 京都市山科区小野御霊町35
【随心院の電話番号】
【随心院の拝観時間】
拝観
9:00~17:00(受付終了は16:30)
写経・写仏
9:00~14:00
※イベント等で拝観時間等が変更される場合あり。
【随心院の拝観料】
一般
大人 500円
身障者 400円
中学生 300円
団体
一般20名以上 450円
【随心院への公共交通機関でのアクセス】
JR京都駅から随心院まで電車・バスの公共交通機関を使って行く方法は、いくつかありますが、ここではそのうちの2つをご紹介します。
■所要時間:約40分
JR京都駅から地下鉄烏丸線に乗り、「烏丸御池駅」で下車。そこから地下鉄東西線に乗り換え、「小野駅」で下車し、徒歩約5分。
■所要時間:約25分
JR京都駅からJR琵琶湖線に乗り、「山科駅」で下車。そこから地下鉄東西線に乗り換え、「小野駅」で下車し、徒歩約5分。
【随心院へ車でのアクセス】
名神高速 京都東ICから約10分
阪神高速8号京都線 山科出口から約5分
名神高速 京都南ICから北へ約22km(約50分)
【随心院の駐車場】
無料駐車場あり
※大型駐車可能
随心院のご由緒
随心院は、平安時代の991年に仁海僧正(にんがいそうじょう)によって創建された真言宗十八本山の一つで、代々摂関家が住職を務めた門跡寺院である。
かつては「牛皮山曼荼羅寺」と呼ばれ、これは仁海僧正が夢で亡き母が牛に生まれ変わったのを見て、その牛を探し出して飼ったものの、すぐに死んでしまったことに由来する。悲しんだ仁海僧正は、その牛の皮に両界曼荼羅の尊像を描き、本尊としたと言い伝えられている。
仁海僧正は宮中から非常に信頼され、神泉苑で雨乞いの儀式を9回行い、全て成功したため「雨僧正」とも呼ばれたという。増俊阿闍梨の時代に曼荼羅寺の子房として随心院が建立され、第七世の親厳大僧正が1229年に後堀河天皇から門跡の称号を授かった。
その後も多くの伽藍が建造され、山城、播磨、紀伊などに多くの寺領を有するほどになったが、1467年から始まる応仁の乱によってそのほとんどを焼失してしまう。しかし1599年、九条家出身の24世増孝により本堂が再興され、現在に至っている。
国の重要文化財に指定されているご本尊「如意輪観世音菩薩像」や快慶作「金剛薩埵坐像」などが安置されており、奥書院・表書院には狩野派の絵師によって描かれた襖絵も見られる。
実際に随心院を訪れて
世界三大美女の一人として、古代エジプトの女王クレオパトラ、中国唐代の皇妃楊貴妃とならぶ小野小町。日本の伝説的な美女であり、優れた歌人としても知られている。そんな平安の女流歌人・小野小町にゆかりの深い、京都市山科区の随心院に行ってきた。
随心院は交通アクセスに恵まれた場所にある。一番は京都市営地下鉄の東西線を利用するのがおすすめだ。「小野駅」で降りて徒歩5分ほどで到着する。また、広い無料駐車場を備えており、阪神高速の京都南ICから南へ約10分ほどなので車での参拝もいいだろう。
境内に入る前に案内図を見てみる。
外国人観光客も多く訪れるだけあって、英語や中国語での案内も用意されているので便利だ。
さっそく境内の中へと歩を進める。随心院を訪れてまず最初に目に入ってくるのが「総門」である。
【総門】
総門は歴史と風格に満ちた佇まいで参拝者を迎えてくれる。
※総門は現在改修工事が行われており、令和7年3月頃まで総門からの立ち入りができないので注意が必要だ。工事期間中は駐車場横の入口から入ることになっている。
総門をくぐると左手に白壁、右手に整然と並ぶ石灯籠と綺麗に刈り込まれたつつじが美しい参道が延びている。周囲は静寂な空気に包まれていて清々しさを感じる。
【参道】
ひたすらまっすぐな道が奥へと続いており、ゆっくりと歩を進める。
【小野梅園】
右手には、境内の名勝「小野梅園」が広がっている。ここには山紅梅、白梅、薄紅梅など約200本もの梅の木が植えられているそうだ。今回訪れた時は時期が違ったため残念ながら見ることができなかったのだが、例年2月末から咲き始め、3月中旬に見頃を迎えるという。
最も多い薄紅梅の色を古来より「はねずいろ(朱華色)」と呼ぶことから、ここは「はねずの梅」とも呼ばれており、毎年3月最終日曜日には、小野小町の伝説をモチーフにした「はねず踊り」が開催され、大勢の観光客が訪れている。
右手に小野梅園を眺めながらしばらく歩くと、急に視界が開け、広い場所に出る。正面に長屋門が見える。
【長屋門】
長屋門の脇には「庭園、殿舎拝観入口」という立札とともに、塀に設けられた小さな門が開いている。こぢんまりとした門をくぐって中に入る。
歩き進むと…アゲハ蝶がお出迎えしてくれたではないか。アゲハ蝶は、幸運を知らせる存在とされており、黄色いアゲハ蝶は、特に金運や健康運の上昇を示しているらしい!!
これは、縁起がいい!
さらに、奥に歩くと「庫裡(くり)」が見えてくる。
【庫裡】
庫裡とは、寺院の台所や僧侶が居住する場所のことで、宝暦3年(1753)二条家より移築されたものとされる。ここから庭園・殿舎へと入るようになっている。
庫裡の前には、小野小町の歌碑が静かに佇んでいる。
【小野小町の歌碑】
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
(訳)桜の花の色は春の長雨で色あせてしまったように、私の容姿も恋や世間のことで悩んでいるうちに衰えてしまった。
この歌は、花にたとえて自身の美しさが色あせてしまったことを嘆いている。
小野小町は、『百人一首』に選ばれるほどの優れた歌人で「六歌仙」や「三十六歌仙」と呼ばれる平安時代の代表的な歌人の一人にも数えられている。
六歌仙(ろっかせん)は、平安時代の優れた歌人6人を指し、紀貫之(きのつらゆき)が選んだもので、彼らは特に才能があり、その歌風が際立っていたとされている。
三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)は、平安時代の代表的な歌人36人を指す。藤原公任(ふじわらのきんとう)が選び、彼らの作品は『古今和歌集』や『後撰和歌集』などに収められている。三十六歌仙は、平安時代の和歌文化を象徴する存在だ。小野小町をはじめ、柿本人麻呂や紀貫之なども名を連ねている。
【深草少将の百夜通いと小野小町】
随心院についての見識を深める際に欠かせない要素の一つが、深草少将と小野小町の伝説。この物語は平安時代のロマンティックな逸話として、長年多くの人々に親しまれている。
小野小町の出自や身分は明確ではないが、仁明天皇(にんみょうてんのう)に仕えていたとされており、宮中では多くの男性から好意を持たれたが、誰にもなびかなかったと言われている。
そんなモテモテだった小野小町にちなんだ伝説が「百夜通い(ももよがよい)」である。
百夜通いの伝説
小野小町に恋い焦がれた深草少将。一方、モテモテだった小野小町は冷たい態度。
「私のもとへ百夜通ったなら、あなたの意のままになろう」と小野小町から告げられた深草少将は、毎晩徒歩で闇夜も雨の夜も通いつめた。そして、訪ねた証拠として、門前に毎晩1粒ずつ”榧(かや)の実”を置いた。
ところが、あと一晩を残した九十九夜目、大雪に見舞われ、凍える寒さに力尽き、遂に願い叶わず凍死してしまった。
なんとも切ない恋の物語だ…。
小野小町は、深草少将が置いて行った榧の実を糸に通して日を数えたといわれ、後にその実を境内に植え、99本の榧の木があったとも伝わっている。
庫裡にはその実物とされる榧の実が展示されており、よーく見ると榧の実に糸を通した跡が残っているのがわかる。
榧の実の横には、何やら石が丁寧に飾られている。説明札には「請雨本尊石」と書いてある。
【請雨本尊石】
請雨本尊石は、877年に一身上人が化粧の井戸で雨乞いの祈りを捧げた際に、本尊として祀られたもの。
中心の梵字は仏の種字。「仏の種字」は仏さまを表す特別な文字であり、その文字を通じて仏さまの力や守りを感じることができると広く信仰されている。
【奥書院、表書院、本堂、能の間へ】
庫裡から中に入ると、奥書院、表書院、本堂、能の間といった建物が並び、それらを廊下でつないでいる。順路は庫裡より反時計回りに巡るようになっている。
書院は九条家ゆかりの天真院尼の寄進により寛永年間(1624~1631)に建造されたと伝えられている。また、書院と本堂の間にある能の間は九条家の寄進により宝暦年間(1753~1764)に建造されている。
随心院の中には撮影ができない場所も多く、これらすべての見所をご紹介できないのが残念だが、ここからは撮影が許可された場所についてご紹介することにしよう。
【極彩色梅匂小町絵図】
近年は「映える襖絵(ふすまえ)」がある寺として、日本のみならず海外からも大きな注目を集めている随心院。その映える襖絵とは、小野小町の一生を描いた「極彩色梅匂小町絵図(ごくさいしきうめいろこまちえず)」。
「能の間」に奉納されているこの艶やかな襖絵を手掛けたのは、「だるま商店」という2人組みの若手アーティスト。4枚一組で、絶世の美女と謳われた小野小町の波乱万丈の生涯を描いた作品で、2009年に完成した。
「はねず色」と呼ばれる鮮やかな薄紅色を基調とし、従来の襖絵の概念を覆すほど色鮮やかでアーティスティックな作品。目にした瞬間に艶やかな極彩色に心を奪われ、小野小町の幻想的な物語の世界に吸い込まれる。
【本堂】
如意輪観音坐像をご本尊とする随心院の本堂。
本堂は桃山時代(1599)の建築で寝殿造り。
表書院から本堂の方角を眺める。表書院と本堂の間には苔を敷き詰めた庭園が広がる。庭園に降り立つことはできない。
【杉戸】
表書院、奥書院ともに撮影は禁止だが、狩野派を中心とした見事な襖絵がいくつも拝見できる。また、点在する杉戸に描かれた絵も実に見事。随心院の杉戸は、単なる建具としての役割を超え、もはや芸術作品であるといえよう。
訪問時には、ぜひじっくりとこれらの杉戸を観察し、その美しさと職人の技に感嘆していただきたい。なお、撮影ができない場所には撮影禁止マークが掲示されている。カメラを向ける際にはこのマークを見落とさないよう注意し、きちんとマナーを守って拝観するようにしよう。
【随心院のお守り】
美しさは外見だけでなく、心からあふれでるもの。平安時代の伝説的な美人であり、優れた歌人でもあった小野小町にちなんだお守りが各種販売されている。彼女の美しさと才能にあやかりたいと願う人々が多く訪れている。
「美心守」 500円
美しい心のお守りと書いて「美心守り(びじんまもり)」。その字の如く、美人とは見た目ではなく、内面の「心」からあふれでる優しさや、美しい気持ちを持った人ということを意味している。
(左)「にほひ袋」 500円
縁結びのご利益があるとされる「にほい袋」。可愛い見た目はもちろん、よい香りもするので、カバンなどに付けて持ち歩くのも良さそう。
(右)随心院限定水引「結守」 1,000円
「結守」は、隨心院の梅をモチーフにした水引で、紅梅と白梅の2種類を販売。
「小町絵馬」 700円
小野小町が描かれた絵馬。ほかの寺院では見かけないピンク色の可愛いデザイン。
蓮弁祈願 1枚200円
蓮の花びらをかたどった紙を水に浮かべる祈願事。 蓮は古来より、極楽浄土、生命の創造と繁栄を意味し、美しさの象徴とされている。庫裡前の小野小町の歌碑横にある水瓶に浮かべると、水に溶けて祈願になるそうだ。
【写経・写仏体験】
随心院では、写経・写仏体験ができる。
用具はすべて準備されているので、誰でも気軽に参加することができる。さらには椅子席が用意されているので、足がしびれるという心配もご無用。
日常の喧騒から離れ、静かに心を落ち着け、自分自身と向き合う時間をつくるには最適な体験である。
受付時間:9時~14時(当日でも可能)
所要時間:1~3時間
料金:2,000円(拝観料含む)
【薬医門】
書院や本堂を一通り見学し終え、再び境内を散策。境内でひときわ重厚な雰囲気を醸し出しているのが「薬医門」だ。
堂々たる風格を見せる薬医門は寛永年間の建築で、九条家ゆかりの天真院尼の寄進によるという。門の向こうは本堂の大玄関へと続いている。普段は閉められており、皇族や勅使、門主など格式の高い人だけが使うことができるそうだ。築地塀に入っている横線は寺格を表するものだといい、5本は最も格式が高い証である。
薬医門の西側へ少し進むと、小野小町ゆかりの場所の一つである「化粧(けわい)の井戸」がある。
【化粧(けわい)の井戸】
薬医門の西側には、小野小町が宮廷を辞してから晩年までを過ごした屋敷があったといわれている。その屋敷にあった井戸で、小野小町が顔を洗い化粧を整えたと伝わることから「化粧の井戸」の名がつけられたのだという。
随心院の御朱印
毎年限定で授与される随心院の御朱印は、フォトジェニックな演出・趣向が凝らされており、御朱印愛好家から高い人気を集めている。令和6年度春季限定の御朱印は、梅の花の切り絵と小野小町の姿絵、干支の龍があしらわれた可愛らしいデザインが特徴だ。
切り絵御朱印(令和6年度 春季限定) 奉納料1,000円
※ 写真は切り絵御朱印帳(黒の台紙)に貼った時のイメージ。
※ なくなり次第授与終了
※ 一人一枚づつの授与
阿弥陀如来や金剛薩埵の修復を記念する限定御朱印も。
限定御朱印 奉納料各1,000円
上記の限定御朱印のほか、オーソドックスな墨書きの御朱印もある。御朱印帳を持参すると書き入れしていただける。
「隨心院 御朱印」…300円
「京都十三佛霊場」…帳面300円、軸500円
「真言宗十八本山」…帳面300円、軸500円
「大聖歓喜天」…500円(毎月1日・16日限定授与、書置きのみ)
御朱印は拝観受付にて授与しており、受付時間は9時~16時30分。御朱印帳を持参していなくても、書置きが準備されているので安心だ。
最後に随心院にぴったりの御朱印帳をご紹介
今回は切り絵御朱印の保管方法に迷っている方や、保管するホルダーやファイルを探している方にもおススメの切り絵御朱印を折らずに綺麗に貼れる「切り絵御朱印帳」をご紹介します!
【折れない喜び、はみ出さない安心】
従来の御朱印帳では難しかった大判の御朱印も、この切り絵御朱印帳なら問題なし。折り目をつけることなく、美しくレイアウトできます。思い出の一枚一枚を、その魅力そのままに保存できる喜びを。
【あなた好みにカスタマイズ】
黒と白のリバーシブル台紙を採用。御朱印の色合いや雰囲気に合わせて、背景を自由に選べます。
使用例
使用例
最後に
いかがでしたでしょうか。滋賀・京都の有名な神社仏閣の魅力を余すことなくご紹介する【探訪シリーズ】ですが、おかげさまでこのブログも多くの御朱印愛好家の皆様からご好評をいただいております!
ここまで、紫式部が『源氏物語』の着想を得たという石山寺、そこで開催されている「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」と「恋するもののあはれ展」、紫式部の父が僧侶となった三井寺、そして紫式部が生まれ育った邸宅跡にある廬山寺、そして京都のシンボル東寺、国宝になっている石清水八幡宮、国の特別名勝に指定されている大徳寺、本能寺の変で有名な本能寺、京都の水源を守る神として親しまれている貴船神社、豊臣秀吉とねねにゆかりの深い高台寺、浄土教の先駆者として名高い空也上人が開いた六波羅蜜寺、窓の絶景が有名な源光庵、そして、今回は小野小町にゆかりの深い随心院をご紹介してきました。
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