こんにちは!
全国各地のご朱印、お城印集めが趣味の神宮寺城一郎です!
今回ご紹介するのは、福井県にある「永平寺」です。
曹洞宗大本山の永平寺は、道元禅師によって開かれた禅の修行場。今でも多くの僧たちが勤行に励んでおり、一般の方でも坐禅体験ができる場としても知られています。
この記事では永平寺へのアクセスや見どころ、御朱印などについてわかりやすく紹介しています。ぜひともこちらの記事をご参考にしていただき、足を運んでみてください!
永平寺のアクセスと基本情報
【永平寺の所在地】
〒 910-1228 福井県吉田郡永平寺町志比5-15
【永平寺の電話番号】
0776-63-3102
【御朱印帳受付時間】
8時30分~16時30分(季節により変更あり)
【電車・バスでのアクセス】
●電車+バス
えちぜん鉄道・勝山永平寺線「永平寺口駅」から、京福バス「永平寺門前行」または「永平寺行」に乗り換えて終点で下車、徒歩5分。(バス乗車時間は約13分)
※ JR福井駅からえちぜん鉄道への乗り替えは、JR福井駅の東口が便利。
●直行バス
福井駅から永平寺門前まで、京福バスの直行バス「特急 永平寺ライナー」が毎日運行。所要時間は約30分。
●ツアーバス
福井駅から永平寺と一乗谷朝倉氏遺跡博物館を巡るツアーバス「はぴバス」が運行中。
【車でのアクセス】
中部縦貫自動車道「永平寺参道IC」から約5km。所要時間は約10分。
【駐車場】
永平寺半杓橋すぐ近くのコインパーキングを利用。
【拝観料】
●大人:700円 ●小中学生:300円
永平寺のご由緒
永平寺は、寛元2年(1244年)に道元禅師によって開かれた坐禅修行の場である。周囲を山に囲まれた静寂な地に、大小70以上の建物が立ち並んでいる。
道元禅師は正治2年(1200年)に京都で生まれ、14歳で比叡山にて出家。24歳の春には師を求めて中国に渡り、天童山の如浄禅師のもとで厳しい修行に励み、「正伝の仏法」を受け継いだとされる。28歳で日本に帰国し、34歳の時に京都・深草に興正寺を建立した。
その後、波多野義重公の要請に応じ、越前(現在の福井県)に移り、永平寺を創建したといわれている。現在も道元禅師の教えを継承する修行道場として、僧侶の育成と一般の方々への布教活動が行われている。
永平寺の見どころ
今回は福井、金沢を巡るバスツアーに参加。福井県に到着し、まず向かったのは永平寺である。
福井駅からツアーバスで約20分で到着。参拝前にまずは腹ごしらえということで、永平寺の近くに店を構える「ほっきょ荘」で精進料理をいただくことに。
【ほっきょ荘】
建物1階は土産物コーナーになっており、お土産を買い求める大勢の観光客でにぎわっていた。食事場所は2階。
いただいたのは精進料理。元々は僧侶の食事であり、肉、魚、卵といった動物性の食材は使われておらず、野菜や山菜が中心の料理だ。量は少しずつだが品数は多い。中でもくずきりと豆腐がとても美味しかった。
《ほっきょ荘の基本情報》
【ほっきょ荘の所在地】
〒910-1228 福井県吉田郡永平寺町志比24-35
【ほっきょ荘の電話番号】
0776-63-3311
【ほっきょ荘の営業情報】
営業時間:9時〜17時
ランチタイム:11時 ~ 14時
定休日:年中無休
ほっきょ荘のHPはこちら
食事を終え、歩いて永平寺に向かう。
【石標】
参道正面の両側には石標が立っており、右側には「杓底一残水(しゃくていのいちざんすい)」、左側には「汲流千億人(ながれをくむせんおくにん)」と刻まれてあった。
これは、永平寺を開いた道元禅師の教えに基づいた禅語である。道元禅師は、門前の川から柄杓で水を汲むときに、使い切らなかった水を下流で待つ人々のために川へ戻すよう説いたのだという。それは、私たち人間は自然と共に生き、生かされている存在であり、限りある資源を大切にすべきだという教えである。あらゆるものが互いに支え合いながら存在しているという道元禅師の考え方は、約800年も前に、現代のSDGs(持続可能な開発目標)の理念に通じていたということであり、非常に驚かされる。
【本堂へと続く参道】
参道沿いは青い紅葉に覆われている。歴史ある禅寺らしく、静寂でキリッとした雰囲気が漂う。
沿道の石にむしている苔も趣があって美しい。私は石にむしている苔を眺めながらゆったりと歩くのが好きだ。
道中に永平寺の全景図があった。永平寺の敷地は非常に広大だ。
赤の四角で囲まれた建物が「七堂伽藍」である。寺院の建物を一般的に伽藍と呼ぶが、伽藍には僧侶が修行をする清浄な場所という意味も含まれているのだという。
この七堂伽藍は禅宗寺院の修行の中心的な施設であり、僧侶たちが坐禅や日々の修行を行うための厳格な空間が整えられている。仏像を安置する礼拝の場「仏殿(ぶつでん)」、法要や説教が行われる場所の「法堂(はっとう)」、坐禅や休息のための場である「僧堂(そうどう)」、台所や物資の管理を行う「庫院(くいん)」、修行道場の象徴的な「山門(さんもん)」、身を清めるために設けられた施設「浴室(よくしつ)」「東司(とうす)」の七つの建物から構成されているが、各建物の配置が座禅をしている姿にたとえられているといい、頭にあたるところには「法堂」、心臓にあたるところに「仏殿」、座禅の腰骨にあたるところに「山門」、右膝にあたるところに「東司」、左ひざには「浴室」、両腕にあたるところが「庫院」と「僧堂」とされているそうだ。
中でも僧堂、東司、浴室は「三黙道場」といわれ、修行をするうえで大切にされている場所なのだという。
【手水舎】
立派な手水舎があった。センサーで竜の口から水が出るようになっている。
その奥の池には、蓮に乗った菩薩像が優しく佇んでいた。道元禅師が宋に渡る際、蓮が助けたのかもしれない。
【通用門】
通用門から入る。入場料は700円。拝観受付で支払い、「吉祥閣」に入る。
御朱印は、ツアーガイドさんから「御朱印帳を最初に預けておき、帰るときにいただくのがいい」と聞いていたので、最初に御朱印所へ向かう。
御朱印帳を持参している人は、オレンジ色の申込用紙に名前と携帯電話の番号を書き、300円を添えて申し込むようになっている。
御朱印所に御朱印帳を預け、ここからは順路の通りに進んでいくことになる。
【傘松閣(さんしょうかく)】
「傘松閣」は参拝者の控え室などを備える建物。平成6年(1994)に改築され、1階は参拝者用の控室となっている。
傘松閣の2階にある156畳敷の「絵天井の大広間」は必見。昭和初期の著名な日本画家144名が描いたという、折上格天井にはめ込まれた花鳥彩色画230枚が圧巻だ。
どの色彩画も花鳥風月をテーマに描かれているが、この中に5枚だけ動物が描かれた絵があるといい、それを見つけると願いごとが叶うといわれているそうだ。鯉の絵が2枚、唐獅子の絵が2枚、リスの絵が1枚あるそうなので、訪れた際にはぜひ探してみていただきたい。
正面の床の間には迫力ある達磨の絵の掛け軸が飾られていた。
絵天井の中に潜む5匹の動物を探した後は、いよいよ七堂伽藍に向かう。
【東司】
「東司」とはトイレのことである。道元禅師は著書「正法眼蔵」の中で「用を足すことは大切な修行である」と説いている。そのため、戸の開け方から手の洗い方まで細かな作法が定められている。
作法に気をつけながら用を足す。
七堂伽藍をゆっくりと見てまわる。伽藍を構成する7つの建物は、回廊と呼ばれる階段と廊下で結ばれている。山の緑を借景とした伽藍のたたずまいが美しい。禅の教えに心を寄せながら諸所をじっくり見て回る。続いて向かうのは僧堂だ。
【僧堂】
「僧堂」は修行の根本となる道場で、坐禅・食事・就寝をするための場所である。1902年(明治35年)に改築された。正面には「雲堂」の額が掛けられている。
永平寺では日々の生活のすべてが修行とされている。一人に一畳分の単(たん)と呼ばれるスペースが与えられ、坐禅、食事、睡眠などは全て単で行われる。中央には「文殊菩薩像」が祀られており、これを囲むように単が約90人分設けられている。
僧堂は、浴室、東司と並ぶ三黙道場の一つでもあり、私語は厳禁。神聖な修行の場であり僧堂の中に入れるのは修行僧のみとなっている。内部の写真撮影もNGである。
続いて仏殿へ。
【仏殿】
「仏殿」は七堂伽藍の中心となる建物だ。1902年(明治35年)に改築され、中央には曹洞宗の本尊「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」、右側には「弥勒仏(みろくぶつ)」、左側には「阿弥陀仏(あみだぶつ)」の三世如来が祀られている。
仏殿正面に「祈祷」の額が掲げられているように、昼と晩の勤行では世界平和や万民安楽をお祈りしている。
仏殿からは中雀門が見え、その奥には山門がある。
仏殿を出て回廊を進んでいく。この回廊も永平寺の見どころのひとつだ。
次に承陽殿へと向かう。
【承陽殿】
「承陽殿」は、道元禅師を奉祀する御真廟。「承陽」には仏法を承け伝えるという意味があり、日本曹洞宗の発祥の根源として、聖地ともいえる場所になっている。現在の承陽殿は1841年(明治14年)に再築されたもので、道元禅師をはじめ、主要禅師の霊骨・尊像が安置されている。承陽殿内部の中央に掲げられた扁額は、明治天皇の筆によるものである。
承陽殿に付随する「承陽門」が荘厳な構えを見せる。サイズこそ小さいが和の趣漂う美しい門だ。
この辺りが伽藍の最奥となり、以降は折り返しとなる。
【法堂】
七堂伽藍の一番奥にある「法堂」は、1843年(天保14年)再建の建物で、国の重要文化財に指定されている。一般の寺院における本堂にあたり、永平寺貫首の説法や毎朝の勤行、各種法要が行われている。正面外には「法王法」という額が掲げられている。
堂内は420畳もある広さで、七堂伽藍の中では最大規模を誇る。中央の須弥壇に祀られているのは聖観世音菩薩である。
境内の最も高い位置にあるため、ここから見下ろす景観は格別だ。奥の屋根が仏殿、左の屋根が大庫院である。
ちなみに法堂を下から見上げるとこのようになっている。
ここから下って大庫院へと向かう。
【大庫院】
「大庫院」は、一般の寺院でいう庫裡(くり)に当たる建物で、主に仏膳と修行僧や来賓の食事を用意する場所である。地下1階地上4階の木造建築で、1930年(昭和5年)に改築された。食事をつかさどる典座寮をはじめ、永平寺を維持管理する多くの部署がある。
台所のそばにある祭壇には、寺の守護神である四天王の一員・増長天に仕える韋駄尊天の像が祀られている。
大庫院の入口付近には、天井に届きそうなほどの巨大な「すりこぎ棒」が掲げられている。明治時代の寺院の建設工事の際、地面を叩いて平らにするために使用された道具から彫り出されたものだ。
近年は参拝者がこの「すりこぎ棒」に触れるのが人気になっている。この棒を3回さすると男性は「ゴマすりが上手くなって出世する」、女性は「料理の腕前が向上する」と言われているそうだ。表面はたくさんの人に触られてひどくすり減り、色も変わってしまっている。ご利益にあやかりたいという人は忘れずにさするようにしよう。
こちらは大庫院から見た仏殿。さらに下って山門へと向かう。山門は横から通り抜ける形となる。
【山門】
「山門」は永平寺の表玄関にあたり、公式の入り口である。建物は中国唐時代様式の楼閣門で、七堂伽藍の中で最も古く、1749年(寛延2年)に改築されたそうだ。
門の内部には、多聞天、増長天、持国天、広目天の四天王像が安置されている。
参拝者には非公開だが、この山門の上階には釈迦牟尼仏の直弟子である五百羅漢を安置した広間がある。僧侶たちは毎月二回、この広間でお経を唱えているそうだ。
ちなみに永平寺の僧侶たちがこの門を通るのは、寺院に入る時と、修行が終了した時のみである。
【鐘楼】
山門の近くには鐘楼がある。大晦日にこの鐘楼で除夜の鐘が鳴らされる光景をテレビ中継などで見たことがある人も多いだろう。
鐘は「早暁の暁鐘(ぎょうしょう)」「昼の齋鐘(さいしょう)」、「夕暮れの昏鐘(こんしょう)」「夜半の定鐘(じょうしょう)」の1日4回鳴らされている。
最後に大祠堂殿を見る。
【祠堂殿(しどうでん)】
「祠堂殿」は、故人となった信徒やその家族のために日々礼拝が捧げられる場である。この殿堂は1930年(昭和5年)に新築され、永平寺で法要を受けた人々の名前が記された位牌が安置されている。永平寺の僧侶が最長で50年間定期的に法要を行っている。
祠堂殿の内部は「舎利殿(しゃりでん)」とも呼ばれ、中央には地蔵菩薩が祀られた祭壇が設けられている。地蔵菩薩は、地球があらゆる生命を育むように、すべての人々の苦しみを慈悲深く包み込み、救済をもたらす存在とされている。
祠堂殿には、長さ約18メートル、重さ約250キログラムの木製の大数珠が吊り下げられている。これは第二次世界大戦後、名古屋の信徒が永遠の平和を願って奉納したものだという。
ここまでで七堂伽藍を巡り終え、最初の吉祥閣まで戻ってきた。
永平寺は禅宗の修行の場である。山の静寂と伽藍の床板が、俗世間から離れて修行に励む僧侶の厳しさを想像させる。
石にむした苔がやけに色鮮やかで、この上なく美しい。
山門のところに雲水さんの姿が見えた。
雲水さんとは、修行中の僧侶のことである。
永平寺の御朱印
吉祥閣に戻り、預けていた御朱印帳をいただく。
先述したように、永平寺では最初に御朱印帳を吉祥閣の御朱印所に預けるのがおすすめだ。御朱印帳を預ける際は、オレンジ色の用紙に記入して300円を納める。
書いていただいた御朱印がこちらである。流れるような見事な達筆だ。
「承陽」とは仏法を承け伝えるという意味であり、「承陽殿」は、永平寺で道元禅師をお祀りする聖地であることを表している。
最後に永平寺にぴったりの御朱印帳をご紹介
今回の「永平寺」のリポートはいかがだったでしょうか。
豊かな自然の中に佇む永平寺。お堂を巡りながら見かける緑が印象的でした。
そんな趣深い永平寺にピッタリの御朱印帳として、今回ご紹介するのは『紅葉柄の御朱印帳』です。
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